『ピンハネ屋』と呼ばれて

株式会社リツアンSTC 代表取締役 野中久彰

リツアンの利益の使い道

世の中わからないことだらけですけれども、その中の一つに「会社の利益」があります。

 

企業は利益を出さなければならない。

これはいくら駄作な僕でも理解できます。

 

赤字が続けば会社は事業を継続できませんし、社員の雇用を守ることもできません。また、業績が悪化した際の備えとして、あるいは将来、産業構造が変化したがとき、それに迅速に投資できるよう利益を蓄えておくことは必要です。

 

この点はすんなり理解がきます。

 

ただ、僕がわからないのはその利益の分量。

つまり、いくら会社に蓄えておけば正解なのか?これがわからない。

 

たしかに、たまに自己資本比率〇〇%を目指せとか言われたりします。ただ、高額の設備投資を必要としない人材派遣会社のリツアンにとって、自己資本比率〇〇%は答えとしてあまりしっくりきません。

 

また、上場企業の場合ですと、株主のために利益をあげろといわれます。しかし、リツアンは未上場の会社ですし、リツアンの全株式は僕(野中家)が持っています。株主の僕のために利益をあげろといえば、100% 社員から反感くらいます。ですから、これも正解ではありません。 

 

つまり、リツアンが貯めておくべき適切な利益の分量について僕はわからないのです。

 

経営者の多くは、利益の重要性を説きます。でも、その実、利益をあげる本当の理由や蓄えるべき分量について、ちゃんと理解している経営者は少ないんじゃないでしょうか?大方の経営者は、自分の会社の将来がよくわからないから、とりあえず今のうちに利益を貯めるだけ貯めとこうみたいな、そんな曖昧な感じでいるんじゃないのでしょうか?

 

そして、このようなあやふやな理由をもとに、やれ売上目標だとか、やれ利益目標は〇〇%だとかいって社員を鼓舞して働かせる会社がヤバい。「企業は少しでも多くの利益をあげ、いざというときのために蓄えておくもの」という慣行に盲目的に縛られている経営者がヤバいといいたいのです。

 

そもそも、社員の立場からすれば会社の利益なんてどうでもいい話です。誤解を招く表現かもしれませんが、会社が潰れず約束した給料がもらえ続けれるのであれば、会社の利益など興味はない。僕がサラリーマンの立場ならそうおもう。会社が過去最高益とニュースで聞くよりも、今年の夏のボーナスが増額されたほうがよっぽど嬉しいことではないでしょうか。

 

こんなことを考えていたら、どんどんドツボにはまり「会社の利益っていったい何なんだろう?」「蓄えておくべき利益の分量はどれくらいなんだろう?」とだんだんよくわかんなくなってしまったのです。

 

会社がでかくなれば、結果的に株主である僕が儲かります。派遣業界を健全化する!ともっともらしいことを言っても、結果として株主である僕が儲かる。社員を鼓舞して皆でやろうぜぇ!みたいなことを言っても、結果として株主である僕が儲かる。これに違和感というか、自分自身の胡散臭さを感じるのです。

 

まぁ、ただ、だからといってリツアンの株を皆で分配しようというのは何か違う気がする、社員が増えればそれはきりがありませんから。

 

で、考え抜いてでた結果が「人のつながり」を残す。

 

ご存知の方も多いかと思いますが、リツアンはいろいろな活動をスポンサードしています。

 

例えば、研究者や優秀な学生が集まる「KOMAD」、東京藝大の「日暮里作業場」。また、このような場所だけではなく、学生主体のイベントや教育関連の事業、自動運転関連のスタートアップ事業、遠くアフリカモザンビークやバングラデシュの現地支援事業など数多くの活動を応援しています。

 

社会にとって有効な活動をしていても金がない。

 

現在、お笑いタレントの闇営業が取りざたされていますが、振込詐欺のような人様を騙して浮ついているような奴らに金が集まり、社会にとって有意義なことをやっている彼ら、彼女らに活動資金が集まらない。

 

やっぱり、こんな世の中はよくないし、もしリツアンの余った利益が有効に使われるのであれば積極的にこういった活動を応援していってあげたい。

 

もちろん、僕もわかっています。

 

彼ら、彼女らのスポンサーになっても、今日明日のリツアンの売上・利益には直結しないことを。

 

ただ、リツアンは人を商いとする人材会社です。

人のつながりが信用を呼びます。これは紙幣で交換できない財産です。

 

そして、リツアンの周りに魅力的で、ユニークな人がたくさんいるということは、求職者の方やこれから取引を開始しようとする企業さんにとって大きな安心材料になります。

 

このメリットを数値化することはできませんが、肌の感覚で僕は理解しています。

 

また、この財産は、ありがたいことにリツアンの内勤社員やエンジニアも容易に共有できます。リツアンの社員と言うだけで、彼ら、彼女らは笑顔で向かいあってくれるはずです。

 

これからの時代は、不確実だといわれています。テクノロジーの急激な進歩により、未来は予測困難だといわれています。

 

この様な時代において、人のつながりはよりいっそう価値を増します。

 

溢れかえる情報の中かから正しいものを選択することも、目まぐるしく進歩する科学技術についていくことも、難しくなってきた時代です。ですが、その分野の専門家である彼ら、彼女らに聞けば、正しい情報へ僕たちを導いてくれ、わかりやすく丁寧に教えてくれるはずです。

 

つまり、この財産は、これからの時代だからこそ計り知れない価値があるのです。

 

そして、さらに、この財産のいいとこは僕たちの子どもへもこれを税金ゼロで相続できるという点です。

 

10年後、20年後に子どもたちは社会にでます。そのとき、いまKOMADや日暮里作業場に集うお兄さんやお姉さんは、社会の第一線で活躍しているでしょう。もしかすると彼ら、彼女らの中には、なかなか会うことができないようなビックな人物になる者もでてくるかもしれません。

 

普通では会えない大物になっても、僕たちリツアン社員の子どもだったら会ってくれる。わからないことがあったら、僕たちにそうしてくれたように、彼ら、彼女らは子どもたちへもわかりやすく丁寧に教えてくれるはずです。

 

この人のつながりという財産の価値は、やっぱりすごい。

 

金を残すことよりも、子どもたちへは、このような人のつながりという財産を残してあげたい。

 

子どもの人生を100m競争で例えるならば、50m手前からスタートさせるために必死に金を貯め込むのではなく、お金を有効に使って人のつながりを残す。

 

しかも、この財産はリツアンの社員の子どもたち皆が共有して相続できる。つまり、リツアンがでかくなって僕一人が儲かるのではなく、皆で財産を共有できる。

 

もちろん、リツアンの規模が大きくなれば、結果として僕に財産が残ってしまうんでしょうが、まぁその使い道はおいおい考えるとして、少しでも会社の成長に比例して社員も豊かになる仕組みをつくりたい。

 

僕一人が肥えるのではなく、皆で肥える仕組みをつくっていきたい。

 

というわけで、リツアンが蓄えておくべき利益の分量を人のつながりという人数でカウントすることにしました。また、今後もリツアンは社会にとって有効な活動をする若者をケチることなく応援していきます。

 

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